2.ささやかな楽しみ

 

仕事をしている時、本を読んでいる時、洗濯物を干している時、

ふとした瞬間に目に入る手元が可愛いとうれしい

 

ここ最近は月に一回実家に帰った際、趣味でジェルネイルをやっている妹にお願いしている

はじめにはがせるタイプのベースコートを仕込んでくれるので、簡単にオフができて爪も薄くならないのがありがたい

 

妹とたわいのない話をしながらネイルをしてもらうこの時間が毎月のささやかな楽しみになっている

次はどんなデザインにしてもらおう

1.光を捉え、体感する

 

9月30日

 

国立新美術館で開催されていたテート美術館展をみてきた

展覧会が発表された時から開幕を待ち望んでいたはずなのに、どうして私はいつも閉幕直前になって慌てて予定をたてるはめになってしまうのだろう

 

会期最後の土日とあってとにかく人が多く、入場まで50分、物販待機に30分を要するといった大盛況ぶり

それでも足を運ぶ価値があったと思える非常に私好みの展覧会だったので、約120点の作品の中から特に記憶に残っている作品をいくつか紹介したい

 

私はもともとウィリアム・ターナーの描く、眩いほどの光に溢れる作品が大好きで、初めて「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」をみた時のことは今でも鮮明に思い出せる

海風が吹き抜け、水平線から姿を現す太陽の光がまるで絵画の前に立つ私たちをも煌びやかに照らしているかのような感覚

写実的な面と抽象的な面、本来相反するはずの二つの面を併せ持つところもまたターナーの作品の魅力の一つだと思う

 

今回の展覧会では多くのターナーの作品が出展されていたが、その中でも深く印象に残っているのがこの作品

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「光と色彩(ゲーテの理論)─ 大洪水の翌朝─ 創世記を書くモーセ」 1843年出品

創世記に登場する「ノアの方舟」の物語の中で神は大洪水の後、地上の全ての肉なるものに対し全ての生物が絶滅するような大洪水は決して起こさないことを契約する

ターナーはこの作品を、神と生物の間で交わされたその契約を祝福するものとして描いた

作品のテーマにもなっている色彩論によるとゲーテは光に一番近い色は黄、闇に一番近い色は青であるとしており、またターナー自身が好んで使用していた色も黄色だ

ターナーが黄という色をどんな意図を持って使用していたかは定かではないが、思えば「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」で描かれている太陽の光にも淡い黄色が使われていた

ピカソの青の時代やユトリロの白の時代などにも表れているように、色は画家の当時の思考や心理状態を知る重要な手がかりにもなるのだ

 

またこのターナーの作品の他にも、創世記の物語を主題とした作品があった

かつてジョン・マーティンに帰属 「パンデモニウムへ入る堕天使 『失楽園』第1巻より」 1841年出品?

パンデモニウムとは地獄の中央に建てられたサタンとその仲間達の宮殿のことだ

失楽園」というとアダムとイヴの話が有名だと思うが、ミルトンによる旧約聖書の創世記をテーマにした叙事詩によると、物語は神の軍勢に敗れたサタンと悪魔達が地獄にいるところから始まるという

先日映画「コンスタンティン」を観たことも相まって、悪魔の世界への興味がふつふつと私の中で湧き上がっている

今年こそ母から旧約聖書を借りてきちんとした知識を身につけたいところだ

 

次に紹介するのは、今回の展覧会の中でも一際人だかりが出来ていたこの作品

ジョン・ブレット 「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡1871年

天国を想像させるような、美しく穏やかな絵画

今回の展覧会のキービジュアルにもなっているジョン・ブレットの「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」だ

エメラルドグリーンの水面に映る雲の影と、太陽の光の反射がこの世のものとは思えないほど美しい

当時は不自然だと評されたというこの絵画に私は、死ぬ間際に思い出せたら、なんて思うほどに魅了されてしまったのだ

 

展覧会の終盤には光を体感することの出来る大型インスタレーションが数多く並んでいた

これまでの私にとって現代アートは"興味はある、だけどなんとなく難しそうでとっつきにくいもの"であり、なかなかそのイメージを払拭出来ずにいた

そんな私のような現代アートアレルギーをもつ人にこそ、今回の展示作品を紹介させていただきたい

ピーター・セッジリー 「カラーサイクル III」 1970年

この作品は異なる色の円が同心円状に描かれており、上から様々な色の光を当てることによって絵画そのものの色が変化しているようにみえるというなんとも不思議な作品だ

個人的には黄色の光が当てられたときの作品の色味がお気に入りで、物販ではこの作品がプリントされたトートバッグを即決で購入

長きにわたるトートバッグ探しの旅もついにこの作品おかげで終わりを迎えることが出来た

ありがとう、ピーター・セッジリー・・・

 

ジュリアン ・オピー 「雨、足跡、サイレン」 2000年

写真のようでありイラストのようでもあるこの作品は、存在する写真をコンピューターで再び描画するといった変わった手法を用いて制作されたそう

抽象化することでポップでレトロなテイストになっており、まさに作者の狙い通り90年代のコンピューターゲームの背景のように見える

タイトルの付け方もアニメ「HUNTER×HUNTER」のサブタイトル(分かる人には分かるはず)みたいで、連作の二点も含め非常に私好みの作品だ

 

オラファー・エリアソン 「星くずの素粒子」 2014年

展覧会の最後を締め括るオラファー・エリアソンの「星くずの素粒子

ステンレス・スチールの枠組みと半透明のミラーを組み合わせたこの作品はまるでキラキラとかがやく惑星のようで、空間一帯に小さな宇宙を創り出す

多くの人が作品を囲むように立ち並び、上を見上げ思い思いに写真を撮っていた

作品をどう解釈しどう楽しむかは私たち鑑賞する側に委ねられている、現代アートの面白さはそこにあると思う

 

国立美術館での会期は終わってしまったテート美術館展だが、10月26日からは大阪中之島美術館でも開催される

興味のある人は是非足を運んでみて欲しい

 

tate2023.exhn.jp

0.はじめての

 

私は、あと3日で26歳を迎える

 

いつの間にか"20代"も半分が過ぎようとしており、20歳を迎えた頃と何も変わらない自分になんだか焦燥感を覚える

 

なにか新しいことに挑戦してみたくて、そのツールとしてブログを始めてみようと思う

 

もともと文章を書くことは嫌いじゃないし、子供の頃からとりとめのない出来事や好きな物事について他者と共有することが好きなタイプだったので、存外ブログという媒体は私のような膨れ上がった自己顕示欲を持て余す人間には向いているのかもしれない

 

かなり滑り込みにはなってしまったが、25歳にして初の挑戦だ

 

大した目標があるわけでもないけれど、とりあえずは27歳になった私がきれいさっぱりこのブログの存在を忘れてしまったなんてことがないようにと願っておく